2004.9.4〜5
静岡県賀茂村:宇久須キャンプ場P

 

 静岡県修善寺町にちっぽけな丸太小屋をたてはじめて3年が経過した。
 山の持ち主の方から勝手に切り倒し、勝手に使って良いと了解を得て、木こり作業からはじめた小屋建設だが、毎週末の作業日に仲間の予定がうまくいかなかったり、雨が降ったりでとうとう3年になってしまった。
 建設地がキャンプ場の中と言うことで、キャンパーの多い夏休シーズン、ゴールデンウイークはチェーンソーの騒音が迷惑をかけると作業を休止している。

 今年も夏休み期間は作業を中止し、9月5日から作業再開と意気込んでいた。
 久しぶりの作業再開に、伊豆の風呂でも楽しもうと土曜日4日から出かけた。松崎あたりの温泉に入り、泊まるのは未定の腹づもりで昼食後富士の自宅を出発した。
 燃料は前回のキャンプに行くとき給油した残りがメーターで3/4弱ある。食料は午前中購入した500mlの発泡酒6本、馬刺し肉ブロック、菓子パン3個のみ。
 家から数百メートル走ったところで財布の中身が気になり、中をのぞくと所持金2000円也。前日近くのDIYセンターで犬の缶詰をしこたま買い込んだのを忘れていた。バックギアを使わないで家に戻る道は下水道工事で通行止め、どこかの駐車場で向きを変えるのも面倒くさいし、若干の小銭もあるようだし、泊まるのをP泊とすれば何とかなるだろうとそのまま進行。

 富士から伊豆西海岸へ行く場合は沼津から414号線を口野の狩野川放水路終端の信号を左折し伊豆長岡から修善寺、天城湯ヶ島、船原峠を経るコースと、口野で左折せずそのまま南進し三津、大瀬崎を経由し西海岸の絶壁をぬうように走り井田、戸田から土肥に抜けるコースの二つがある。
 大瀬崎〜井田〜戸田の断崖絶壁の上を走る道は所々で素晴らしい景観を楽しめるが、間違いなく時間がかかると同時に急坂の多い道は燃費も悪い。船原先の土肥峠は2004年4月に天城湯ヶ島町、修善寺町、土肥町が合併し伊豆市になったのを契機に、土肥町としては他2町との生活道路が有料では不便この上ないと県道路公社に働きかけ、峠にあった船原トンネルが無料化されている。
 そこで今回は伊豆長岡町経由を選択した。夏休み・海水浴シーズンの日曜日414号線は朝から渋滞になる。富士方面から414号線に流入する場合の抜け道は旧国道1号線の沼津市西間門から千本松沿いに、沼津西高の裏を通り、千本浜公園入口、沼津港を経、港大橋で狩野川を渡ってすぐの信号を右折、沼津市我入道から御用邸近くの島郷で414号線に入り、志下から414号線をはずれ防潮堤沿いに獅子浜の静浦小学校グランド横へ出、再び414号線に合流する道がある。丸太小屋作業に行くときはこのルートを辿るが、夏休みも終わり、曇りのち雨の予報がでている土曜日は渋滞もないだろうとそのまま414号線を走る。
 
 順調に口野の信号を左折し、狩野川放水路沿いに進行する。放水路は秋になると干潮時釣り人が川底におり竿を出している光景が見られる。何を釣ろうとしているのか一度尋ねてみたいと思いつつ、いつも通り過ぎている。この日も5,6人が釣りをしていた。道が放水路から分かれてすぐ、伊豆中央道が頭上を走る信号があり、ここから料金所を通過せず、修善寺道路を大仁南インターまで走ることができる。
 大仁南インターからは136号線をそのまま走る方法と136号線を突っ切り伊豆箱根鉄道大仁駅方向に向かい狩野川右岸沿いの80号線を走り、同線修善寺駅手前で線路を渡り、同駅南側から349号線に入り旧天城湯ヶ島町矢熊で狩野川を渡り136号に合流し船原へ至る道の二通りがある。後者は中伊豆方面に向かうときの抜け道にもなる。丸太小屋へ行くときは後者の道を進むが、修善寺道路の修善寺トンネルは有料であり財布の中身のこともありパスして大仁南インターで流出し136号線をそのまま走った。

 上船原地区はキャンピングクラブを創設して間もない頃、船原ホテルの庭でオートキャンプをしながら、同ホテルの温泉や上船原地区の共同温泉を楽しんだ思い出があるが、同ホテルの火災により廃業後は行えなくなってしまった。その後県内でホテルや日帰り温泉施設を展開する「時の栖」が滞在型・自然活用型の宿泊施設にすると買収したと聞いていたが、横を通過するとき脇見をしたら重機が玄関先を壊しているところだった。
 船原トンネルの手前で西伊豆スカイライン・仁科峠へ至る三叉路を通過する。仁科峠方面には県営の天城放牧場があり、高原の牧歌的風景を見ることができる。また、仁科峠からは賀茂村宇久須、中伊豆に向かうことができるが、道路は狭く、曲がりくねっているため運転には十分な注意を必要とする。
 
 船原トンネルを過ぎると道は下り坂になる。途中からくねくね道になるが、その距離は昔に比べれば改善され短い。土肥温泉の町を通り抜け恋人岬の駐車場を横目に見るが私には全く関係がない。仮にむさい親父が一人運転するキャンピングカーは場違いになるに決まっている。駐車場は満杯状態、こんな所に来なければお互いの気持ちが確認できないのは悲しいことだと思いつつ通過。
  
 宇久須キャンプ場入り口で中の駐車場をのぞき見るとがら空き、オフシーズンになると設置してある車止めもないことを確認。取りあえずは通り過ぎ安良里漁港に浮かぶ光進丸を遠望しながら先に進む。同じような船が前後して係留してあり、世の中持っているのは持っているんだなと溜め息。
 田子港は136号線から離れ下ったところにあり町並みがちょこっと見えるだけ。堂ヶ島界隈は伊豆の観光が低迷しているのを象徴するように閑散。ここにあるらんの里堂ヶ島を運営する農事組合法人の経営が破綻し再建に入っていると報じられたのは耳に新しい。加山雄三ミュージアムと隣接するこの施設の存続を願いつつ通過。
 
 さて、行き先の温泉は堂ヶ島の先にある沢田公園露天風呂も頭にあったが、まずは松崎まで足を伸ばすことにした。松崎の街で136号線から下田方面に向かう15号線に向かう。次の候補だったのは大沢温泉の山の家露天風呂。ここは正規に車を止めるには風呂から200mほど離れた駐車場になる。風呂は川を挟んだ対岸にあり、この入り口付近の道路は少し広くなっており路上駐車が不可能ではない。
 すれ違い不可能な道を進行すると路上駐車可能なスペースには既に車が、駐車場も少しの空きがあったが、キャンピングカーを収めるのはやや骨が折れそうであったため素直に諦め、結局元来た道を戻ったところにある「道の駅三聖苑伊豆松崎」内にある温泉に決めた。

 受付ではおばあさん二人がおしゃべりの真っ最中、差し出した料金500円を無言で受け取り、領収チケットを差し出した。下駄箱には10足ほどの履き物があった。風呂場には70歳くらいのご老人が1人いたが10分もしないうちに出て行った。後は私一人の貸し切り風呂。露天風呂もあるが、何故か重油のにおいが漂ってきて風情台無し。這々の体で内風呂に戻りゆったりのんびりつかる。壁に貼ってある効能書きは単純泉で肩こり、打ち身捻挫などの骨接ぎが推薦するような内容。糖尿、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、高尿酸血症、肝機能障害が一晩で直る良湯が何処ぞにか無いかと思いつつ文字を眺めた。

 いかに目的だった温泉といえども、一人きりで何時までもつかったり、湯船の岩に腰掛けたりを繰り返してていれば飽きも来る。次なるは何処で泊まるかを考えなければならないところだが、すでに来る途中でのぞき見た宇久須キャンプ場に的を絞っていた。
 
 道の駅をあとにして、136号線を宇久須まで戻る途中田子漁協売店の看板が目に入り立ち寄る。自家製ところてんを作るためのテングサ2袋とアジのみりん干しを購入。ここで大枚1200円が消えた。
 夏場は大混雑する海岸沿いの宇久須キャンプ場は賀茂村が運営しているが、8月31日を最後に管理事務所を閉じてしまう。9月に入ってもしばらくは駐車場を閉鎖せず、水場もトイレも通常通り使用することができる。シーズン中は1サイト4000円、駐車料1000円を取られるが、9月1日以降は料金を徴収されることはない。
 キャンプ場に着くと10サイトほどにテントが設営されており、駐車場沿いにある売店が一つだけ営業をしていた。海の眺めが一番良い所に車を停めてから海岸におり、しばらく散歩を楽しんだ。キャンプサイトの一番奥から駐車場に戻り、件の営業していた売店の前を通るとちょうど老夫婦が店じまいの所だった。何の気無しに軒下を見るとコンセントがある。思い切ってご夫婦に一晩500円でコンセントを貸してもらえないかと切りだした。

 怪訝そうにこちらを見たご主人が、キャンプ場は電源使用を禁じていると答えたので、あそこにあるキャンピングカーで使うと説明するとOKの返事。さっそく店の前に車を移動し延長コードを取り出す。これで一晩中のバッテリー上がりを心配しないですむが財布の中は風前の灯火。

 家の冷蔵庫から持ってきたショウガをおろし、馬刺しをスライスする。これとアジのみりん干しを肴に発泡酒を開缶。旨い!!。夕日を見ることはできなかったが、沖に浮かぶ船の灯りがだんだんとはっきりし、宇久須港の灯台が赤色の光を点滅する情景もまた肴になる。
 酔いが回り始めたのを自覚する段になって、ベッドメイキングを行った後しばらくはベッドの上で仕上げの発泡酒。酔いが眠気に変わり何時しか眠りこけた。パンツ一丁で寝ていた太ももの下がざらざらするのに気づき目が覚めた。手を伸ばすとアジのみりん干しが下敷きになっている。せっかく温泉に入ったのに太ももをこすった手を鼻先に持ってくると間違いなく干物の香りがする。棚の上には表面が乾燥した馬刺しがそのまま。寝ぼけ眼でこれらを冷蔵庫に放り込みそのままダウン。夜中キャンプ場から酔っぱらった若者たちの嬌声と時折屋根を打つ雨音が聞こえていた以外耳に届くのははさざ波が打ち返す音のみ。

 小雨の7時30分起床。朝食は菓子パン。残った発泡酒を飲むわけにも行かず、車の後ろにある自販機からジュースを購入。これでほとんど財布は底をついてしまった。
 売店前の駐車スペースから眺めの良い場所に車を移動ししばらく海を眺めているとき、丸太小屋の作業を一緒に行っている富士宮の佐野さんから携帯に電話があり、この日の作業をどうするか相談。雨が降る中の作業は危険を伴うため中止を決定。
 窓をつたう雨がじゃまになり、車から外に出て東屋の下に入り双眼鏡で沖の船を見たり、海岸のゴミをつつく鳥を見て時間を過ごす。
 頃合いを見計らって丸太小屋を建てているキャンプ場に電話をするとやはり「雨」が降っているとの回答に作業を中止することを伝えた後、いつまでもぼけーっとしているのもつまらなくなり、9時30分にキャンプ場を跡にした。
(写真:電源をとらせてもらった売店の前にて)

 帰路は戸田、伊田経由と当初考えていたが、燃料残量から安全策を選択し、来た道と全く同じ経路で12時少し前に自宅に戻った。

【参考】
 燃料 202km/8km×83円=2100円(今回は給油せず)
 発泡酒760円、馬刺し750円、アジひもの420円、テングサ840円、ジュース150円 → 計2920円

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