2005G.W.四国の旅

                         

 2005年のゴールデンウィークは5月2日と、6日を休み、連続10日の連続した休暇となった。
 四国は20歳代前半に高知を電車とバスで旅したことがあり、讃岐路は高校の修学旅行で訪れていた。
 かねてから四国を海岸線沿いに一周したいと思い続けていて、今回の長い休みはそれを実行するに十分な期間だった。
 
         
        淡路SA                  室戸岬                             室戸
 
 4月28日18:30に東名高速流入。私は遠征するときは夜のうちに一歩でも目的地に近づいておくため、夜立ちを原則としている。大型連休前夜の高速道路の交通量は通常と変わらない。
 日付が変わった1時30分に明石海峡大橋を渡ってすぐの淡路SAに到着した。駐車場にはキャンピングカーが7、8台。広い駐車場をみて、それほど混まないだろうとトイレに近い場所に陣取ったがこれが誤算だった。夜中の車のエンジン音、ドアの開け閉めの音、話し声と安眠ままならず、明け方トイレから遠く離れた場所に移動した。
 8時30分起床。4/29の目標は道の駅宍喰まで。徳島市から阿南市まではまぁまぁ平坦な道が続いたが、ここから先は「四国は山の島」であることを思い知らされる道中になった。
 道の駅宍喰到着は14時頃、ここで泊まるには早すぎると、併設された宍喰温泉につかった後、さらに先へと車を進めた。
 室戸岬の駐車場には十分空きがあり、待つことなくすんなり入ることができた。海岸へ下りて行くとき、どうしても台風の時の荒波を想像してしまう。
 当初予定していた宿泊場所を通り過ぎたため、どこに泊まるかは全くの未定。地図と首っ引きで場所探しをしていると安田町に「ホタルの里河川公園」があるのを見つけた。この名称なら間違いなく駐車場があるに違いないと目論んでこの日の宿泊場所に決定した。

          
        野良時計                  安芸武家屋敷                      安芸城址

 ホタルの里河川公園は川の中州にあり花壇が整備されており、到着時はおじいさんが1人手入れをしていた。駐車場から40m程離れて水洗トイレがあり、花壇の手入れ用に設置したであろう水道の蛇口が駐車場から一段高くなった花壇の端にあり、駐車場から丁度良い高さで利用できる。
 花壇を手入れしていたおじいさんも帰り、車ですれ違った地元の人が駐車場に入って立ち話をしていたが、この人達も間もなく走り去った。川の対岸に集落があり、数台の仕事帰りと思われる車が橋を渡って行った後は静寂が訪れた。
 夕食前には花壇の中に設置された荒削りの丸太を組んだテーブルと椅子で缶ビールを飲みながら、夕暮れが徐々に暗闇に近づいていく中に身を置いていた。
           
        龍河洞            龍馬記念館                    桂浜  
 
 3日目の朝、ホタルの里河川公園の木々は朝露でしっとりと濡れていた。パンで簡単な朝食を済ませ昨日の道を海岸沿いに走る国道55線まで戻る。
 この日の最初の目的地は龍河洞。日本3大鍾乳洞の一つで、珍しいことに見学にペットの同行を認めている。駐車場からは土産物店街を通らないと洞窟に行けない形になっている。洞窟入り口は土産物店街から階段では少々苦痛になる標高差があり、登りのみのエスカレーターが設置されていた。入り口で見学に約40分かかると説明されたが30分ほどで出口に到着した。
 洞内では各所にボランティアの説明員がいて、その場その場の見所を説明してくれる。弥生時代の土器があったが、まだその形が一目瞭然であるところからして洞内の鍾乳石の蓄積の速度を推測できた。
 国道55号線から内陸に30分ほど入ったところにあるが、龍河洞から海岸線に戻る途中に龍馬記念館がある。少々高い料金に躊躇したが見学に踏み切った。中は坂本龍馬の一生の主要場面を蝋人形で表現し、由緒ある実物を展示するものでは無かった。
 次の目的地は桂浜で、高知市街へは入らずひたすら海岸線を走り、赤岡町で55号線を離れ県道14号線に入る。茄子の温室やショウガの温室が連なる中の道をひたすら走る。高知空港の縁を通過し、高知港がある湾入り口をまたぐ有料道路を過ぎ桂浜への道は下っていく。桂浜駐車場は満杯状態で10分ほど待たされた。最初誘導員に指定されたスペースは乗用車用。リアサイクルラダーを出すと5.6mになるキャンピングカーは窮屈である。誘導してくれていたおじさんは途中で「やめよう。後ろはベンツだし」と言い出した。進入してきた方向を見ると別の誘導員が手招きしている。おかげでマイクロバス用の駐車スペースにはいることができた。駐車場から一山越えて海岸まで行く。一言で言えば何の変哲もない海岸だが、逸話、伝説のたぐいは立派な観光地になる。私の頭には坂本龍馬よりテレビの台風中継の光景がよぎった。

          
        桂浜                  四国カルスト                         四国カルスト

 この旅に出る前、妻は知り合いの方から「四国に行ったら絶対四国カルストに行きなさい」と勧められていたらしい。その望みをかなえるため、この日の最終目的地は愛媛県境の姫鶴平にあるキャンプ場。桂浜から浦の内湾をぐるりと回って須崎市街から197号線で内陸に向かう。カーナビでは梼原町で440号線の葛籠折れの道を指示しており、忠実にこれに従う。愛媛県に抜ける440l号線は急坂、ヘアピンの連続で地芳峠に至り、ここから県境になる山の稜線を姫鶴平へ車を進める。海抜1500mの高原には石灰石があちこちに頭を出している。これまでに走ってきた四国山地とは全く異にする景色に驚かされた。予定ではこの高原にある五段高原、姫鶴平、天狗高原のいずれかのキャンプ場に泊まる予定であったが、全く遮る者のない立地に遠雷も加わりここでの一泊を断念し、高原の東から197号線に下る439号線に向かった。高原の途中から国民宿舎のある高台までは1kmほどすれ違いの出来ない道。こちらから見上げる遙か前方から車が次々に進入してくるためしばらく待機する。国民宿舎を左に見て県道?48号線を下る。ヘアピンが続くが往路の440号線に比べたら格段に走りやすい。道はやがて439号線との三叉路に出る。家々は集落をつくらず点在する山間の道で小学校中学年と思われる子供が自転車に乗り1人で遊んでいた。快適に439号線を経由して197号線に戻ったが、そこは往路に通過したところ。「歓迎天狗高原」のアーチ型看板が設置されているが、こちらの頭には五段高原がインプットされており、四国カルストとは別の場所と判断し通過した所だった。
 カルストでの宿泊を諦めた次の宿泊候補地は梼原町の太郎川公園。ここは道の駅梼原と隣接し立ち寄り温泉もある。香川ナンバーの三菱デリカが1台泊まっているだけの公園東側にある広大な駐車場に宿泊場所を定めエンジンを止めた。デリカは老夫婦が乗っており、ご主人がリアドアの下でカセットコンロを使ってご飯を炊いていた。
 駐車場をぶらぶらしているとこのご主人が声をかけてきた。聞けば毎年北海道に出かけており、ゴールデンウィークは岐阜県の旅を楽しむ予定だったが、渋滞に遭遇することがイヤで結局四国の旅にしたと言うことだった。 山地の日暮れは早く缶ビールは早めの就寝を促し、20時には横になる。夜半雨音を朧気ながらに聞いた。

           
      足摺岬                竜串海中公園                   明浜オートキャンプ場

 四国4日目は土砂降りの朝、おまけに風もある。まずは梼原町営の雲の上の温泉駐車場で10時の開場を待つ。雨は駐車場を川のように流れている。朝風呂を楽しむ。ちなみにこの温泉は
「泉質は塩化ナトリウムを含む、炭酸水素塩冷鉱泉で慢性婦人病や神経痛などに効果があり、また余分の油分や古い角質を落とすことから「美人湯」と呼ばれています」とガイドに記されていた。
 温泉の受付にいた若い職員に439号線で中村市へ至るルートの選択是非を聞いたところ、キャンピングカーでは行かない方が良いとの助言があり、197号線を須崎まで戻る。439号線分岐点と太郎川公園の間は昨日から4回目の走行になる。風雨は依然として強い。
 中村市で四万十川を渡り321号線で足摺岬に向かう。到着した頃には雨は小降りになる。岬先端に行くには椿の中の長い階段を下りていかなければならない。この遊歩道は20歳代前半に訪れた際に懲りているため敬遠し看板前の写真撮影だけで済ます。岬から321号線に戻る道は海岸線の道を辿る。荷台に発泡スチロールを載せた軽四トラックが前方を走り、左は海への崖、右は山の崖の道は先導車が居ると極めて走りやすい。この車が清水港へ曲がって行ってから程なく321号線に戻った。海岸線の眺望を楽しめる道を走った後陸地へしばらく入ったところに道の駅「めじかの里土佐清水」があった。店舗は商売をする気があるのか無いのか首をかしげたくなるようなものだったが駐車スペースは広い。売店・駐車場となっているエリアとトイレを挟んだ反対側にバス3台分の駐車スペースがあり、その更に東側の進入路両側は芝生の広場になっている。
 到着して一時駐車した場所の後ろに沼津ナンバーのワンボックスが続くように入ってきたが、売店周辺をうろついている間にその車は姿を消していた。泊まる場所をトイレ東側のバス駐車スペースに移動し、夕食の準備に取りかかる。トイレは水洗、手洗いと洗面場所が別になっており清潔な環境である。夕食後、道の駅より一段高くなった裏側のメジカ(ソーダガツオ)の加工工場周辺を散歩した。
 
          
      内子                    内子上芳賀家                      内子  

 5日目の朝は快晴、気温上昇の気配。トイレに行った妻が誰かと大きな声で話をしている。車外へ出てみると同年配の女性とやけに親しげに会話中で私を呼ぶ。近づくと妻の中学校時代の同級生だと紹介された。車を見れば昨夕姿を消した沼津ナンバーワンボックス、お互いの自宅は車で10分とかからない位置関係。山登りが趣味のご主人と二人で内陸中心に楽しんでいる由。聞けば昨夜は私たちが泊まっていた場所から100m程しか離れていない「雲の上の温泉」駐車場で一泊していたとのこと。
 お互いの安全運転を祈念して祖谷渓から剣山へ向かうというご夫妻と別れ、竜串海中公園へ向かう。営業開始時間前に海中展望塔へ到着。展望塔と陸地を結ぶ橋のたもとの日陰で一休みしているとタモを持ったお兄さんが自転車でやってきた。私たちの目の前で自転車を止めると橋の欄干に渡してあった鎖のカギを開け無言で展望塔へ入っていた。程なくしてさっきのお兄さんが中から「入っていいですよ」と言ってきた。一番乗りで展望塔内部の螺旋階段を下っていくと、海面下の円形の窓から色々な魚を見ることが出来る。大きなメジナを目にしてあんな奴を釣ってみたいと思うことしきり。今回は長さ1mほどのヤガラを見ることができ感激。
 残りの予定は佐多岬先端、内子、讃岐を通って祖谷渓まで残り3泊だが、犬と一緒に車に乗っている猫の様子がおかしい。昨年耳が聞こえなくなっていたが、目が見えない動作に気づいた。右目を見ると眼球が赤く眼底出血を起こしたと判断。食欲もなく足腰がおぼつかないため、この日は先を急ぎ計画を中断し、翌日帰路につくことにする。
 取りあえずこの日の宿泊場所は。今回の旅で初めての有料キャンプ場利用になる明浜オートキャンプ場。宇和海を眼下に望むキャンプ場でAC電源付サイト、4000円也。缶ビール片手に暮れゆく海を見ていると、眼下の道をサイクリストが自転車を押しながら登ってくるのが見えた。サイクリングの一人旅で4000円を取られるのは忍びないと、キャンプ場入り口で彼を待ち「利用料が高い、私のサイトに入れば無料だ」と伝えようと声をかけたが、返ってくる言葉がおかしい。顔は日本人だが言葉は英語だ。まずったと思ったのも後の祭り、利用料が高いこと、私のサイトにはあなたが入るに十分な余裕があること、勿論お金はいらない。これから管理棟の前を通るが、何か聞かれたらこのキャンプ場で落ち合う約束をしてあったと言うことなど片言で伝え一緒に場内へ入った。      管理棟前では何のおとがめもなくサイトに到着し詳しい話を聞くと、茨城県でALTをやっている中国系カナダ人であることが判明。
 1人用テントを要領よく組み立て終わるのを待ち缶ビールで乾杯。
 夕食はレトルトカレー、若者はキャンプ場直下にある温泉へ。温泉から戻って来る頃には私たちは寝ていること、明朝早立ちの彼を見送れないことを伝えて車の中へ。

 6日目の朝、猫は相変わらず不調。国道56号線へ戻り八幡浜を経由し松山道を内子へ向かう。猫には申し訳ないが内子の町並みは是非立ち寄りたかった。進入路を間違え観光客が歩く町並みの中に入ってしまい、冷たい視線を浴びながら何とか駐車場にたどり着いた。
 端から端まで歩きたかったが車に残した猫が心配で早足で見学し自宅への帰路についた。









しまなみ海道