ビジネスの世界においては、相互に結び付けられていないものが無数存在しています。

例えば、アイスクリームが発明されたのは、紀元前2000年頃の中国と言われています。ところが、アイスクリームのコーンは、3900年後の1904年のアメリカ・セントルイス万博で偶然生まれたと言われています。

他にも、肉は人類よりも前に地球上に存在していました。そして、パンが焼かれたのは、紀元前2600年と言われています。にもかかわらず、肉とパンの2つを組み合わせてハンバーガーをつくったのは、それから4500年も後のことです。

さらに、近代的な水洗トイレが発明されたのは1775年。
しかし、トイレットペーパーが考え出されたのは、82年後の1857年のことでした。

いずれも、いったん結びつけてしまえば、当たり前なことばかりで、「なぜ、前からなかったのか?」と不思議なくらいです。

ゼロイチの発明は不要

肉とパン。アイスとコーン。水洗トイレとトイレットペーパー。
このように、すでにあるもの同士が新たに結びつくことで、イノベーションが起こり、新しいビジネスが生まれています。

つまり、イノベーションは既存のもの同士の「新結合」によって生み出されます。新結合とは、経済学者ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター(1883~1950)が提唱した概念で、「これまで組み合わせたことのない要素を組み合わせることによって新たな価値を創造すること」を指します。

つまり、何かイノベーションを起こそうとした時に、ゼロからイチの発明は不要ということです。

何を組み合わせるのか?

では、何と何を新結合させるとビジネスを急成長させることができるのでしょうか。それが「市場で解決されていない課題」とまだ誰も組み合わせたことのない専門技術、テクノロジー、知識、ノウハウ、システム、ツールなどの「解決策」です。

どういうことかというと、例えば、多くの需要があるにも関わらず解決されていなかった「暗闇」という社会的な課題に対して、長時間使える白熱電球は、「イギリスのジョゼフ・スワン( 1828 ~ 1914)が発明した白熱電球」と「日本の八幡竹」(※京都の石清水八幡宮周辺に自生している竹)の「新結合」によって生み出され、世界中の人類に光を灯しました。

また、 1908年に登場した自動車「T型フォード」は、「当時の一般的な自動車は高価で、一部の裕福な人々しか所有できない」という社会的な課題に対して、「馬車」と「エンジン」と「大量生産システム」の「新結合」によって生み出され、世界の移動手段を一変させました。

そして、 Appleが2007年に発表し世界に衝撃を与えたiPhoneも、すでに社会に存在していた電話、インターネット通信機、音楽プレイヤーの「新結合」によって生み出され、ライフスタイルやコミュニケーションの課題解決を根底からアップデートさせました。

今では社会のインフラとも言える革新をもたらしたソリューションも、これまで誰もしたことがなかった当時の「課題」と「解決策」を組み合わせた挑戦者の「新結合」によって生み出されています。

新結合を起こすには?

いったん結びつけてしまえば、当たり前に感じる数々のイノベーションは、いかにして生まれるのか?もちろん、都合よく「新結合」を起こしたいタイミングで、すぐに最適な組み合わせを見つけられるようなものではありません。多くの場合は、予期せぬタイミングで、新結合のアイデアが思いつくものです。

ただ、いずれにせよ、まず「市場で解決されていない課題は何か?」そして、そもそもどんな専門技術、テクノロジー、知識、ノウハウ、システム、ツールなどの解決策があるのか?これらを、日々ストックし続けることが鍵です。

なぜなら、繰り返しになりますが、「新結合」は「これまで組み合わせたことのない異なる要素」をあらかじめ知っているか、もしくは「新たに知る」ことではじめて起こすことができるものだからです。

どうやってストックするのか?

各業界における市場で満たされていない課題と解決策を普段からストックし続けることで、「新結合」を生み出す確率を高めることができます。

そこでオススメなのが、今まさに新しい専門技術、テクノロジー、知識、ノウハウ、システム、ツールなどの解決策で、これまで満たされていなかった市場の課題を解決し、各業界で事業を急成長させている経営者たちに徹底インタビューをする「月刊社会課題と新規事業」です。

いかにして、急成長ビジネスをつくったのか?
いかにして、新しい市場を創造したのか?
いかにして、新結合をさせていったのか?

そして、「月刊社会課題と新規事業」では、これまで解体業、製造業、飲食業、建設業、小売店、AI、農業、アパレル、素材開発、福祉、漁業、海洋業、流通業、エネルギー、酒造、林業、化粧品業界などなど……

あらゆる業種・業態、中小企業 ~大企業・上場企業、スタートアップまで様々な規模でビジネスを展開されているビジネスの誕生から失敗、成功に至るまでの軌跡を研究し、ビジネスモデルと成功の秘密を紐解いてきたオープンイノベーション・ナビゲーターの深井​​宣光が紐解いていきます。

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