7月11日、東京株式市場で日経平均株価が4万2224円02銭と初めて4万2000円の大台に到達。今後さらに4万5000円代にまで上昇するともいわれていますが、一方で中小企業の経営者の方からは「景気が回復している実感が無い」「実感なき株高」という声も上がります。
実際、2024年版「中小企業白書」内にある経常利益の推移を見ると、大企業と中小企業の経常利益の差は開くばかり。
出典:中小企業白書2024年版
さらに近年の1ドル160円付近を維持する「超円安」の影響や、原材料の高騰などのコスト高や、人件費の高騰、電気代や燃料費などのコスト増も相まって、製造業の業況判断指数は、大企業は2ポイント改善の「プラス13」となった一方で、中小企業は「マイナス1」で横ばい。多くの中小企業が疲弊している状態です。
このように、続く円安に原材料やガソリン代、人件費の高騰など、数多くの課題がある中、いったいどうすればいいのか。
その解決策の1つが、ニッチ戦略です。
大手・大企業と”戦わない”戦略「ニッチ戦略」
ニッチ戦略とは、「競合他社との直接の競合を避け、棲み分けした特定市場に資源を集中する戦略」のこと。ニッチ戦略とよく誤解されるのが、差別化戦略。
差別化戦略とは、同業他社との違いを明確にし、自社だけのオンリーワンやNo. 1の商品やサービスを展開し、大きな利益を取る戦略であり、同業他社という競合がいる前提です。
そのため、いかにして同業他社に"戦って勝つか"という戦略なのですが、ニッチ戦略は違います。
ニッチ戦略とは、限られた市場で利益を上げていくための戦略であり、いかに同業他社や大手・大企業と"戦わずに利益を上げていくか"という戦略のこと。
同業他社や大手・大企業と違う戦略を取るということは共通していますが、差別化戦略とニッチ戦略の実態は全くの別物です。
では具体的に、ニッチ戦略とはどのようなものなのか。このニッチ戦略で、10年連続増収・増益を実現した企業があります。
10年連続増収・増益で利益を3倍以上に伸ばした印刷会社
1946年東京都で活版印刷事業を行う会社創業したMIC(旧 水上印刷株式会社)は、あるニッチ市場で事業を展開したことで、10年連続増収・増益で利益は3倍以上にまで成長し、今もなお成長を続けている企業です。
そんな10年連続増収・増益で利益は3倍以上にまで成長した同社ですが、創業当時から行っていたアナログカメラのフィルムパッケージ印刷が、デジタルカメラの登場によって衰退。
その結果、アナログカメラのフィルムパッケージ印刷が減少。フィルムパッケージ印刷が売り上げの30%を占めていたこともあり、一時は危機的状況にありました。
そこで見つけたのが、既存の印刷事業の周辺にあった店頭販促物の発送・製造の集約サービスというニッチ市場でした。
当時日本ではまだ誰も取り組んでいなかったこともあり、MICは10年連続増収・増益で利益は3倍以上にまで成長。
同業他社や競合が事業を展開しない分野で事業を行ったことで、独自の市場を築くことができ、高収益・高成長を続けています。
ニッチ戦略で成功する企業と失敗する企業の違い
今日ご紹介したMICが、ニッチ戦略で高収益・高成長企業になれたのは、ニッチ戦略で事業を展開したから…なのですが、実はもう1つ理由があります。
それは、「大手・大企業の周辺で事業を展開したから」です。
ニッチ戦略で事業展開を行い失敗する理由の1つは、まだ誰も手をつけていない未開拓のニッチ市場を探そうとしてしまうからです。
まだ誰も手をつけていない未開拓市場ということは、先駆者がいないため、成功するかどうかが分かりません。そのため、どうすれば収益を上げられるかというビジネスモデルが作れず、ニッチ戦略で失敗してしまう企業が数多くありました。
ですが今日ご紹介したMICは、すでに大手や大企業が行っている印刷事業の周辺にあったニッチ市場で事業を展開。
大手や大企業が行っている印刷事業の周辺だったこともあり、大手や大企業が印刷を行えば行うほど、同社の売上や利益も右肩上がりに成長。10年連続増収・増益で利益は3倍以上にまで成長することができました。
では、どのようなニッチ市場を見つければ、今日紹介したMICのような高収益・高成長を実現できるのか。
そして、大手・大企業や同業他社と戦わない自社だけの独自市場を築くための市場は、どうしたら築くことができるのか。
そのような内容を7月22日(月)より開催するオンラインセミナー【高収益・高成長を実現する周辺ニッチ戦略】でお伝えします。
競合や同業他社との価格競争になることがない、高い収益性と安定した成長が見込める市場を見つけたい。
自社の技術やノウハウを活かせる独自の市場を創り出し、安定した経営がしたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ7月22日(月)開催のオンラインセミナーにお越しください。
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