こんにちは、深井です。

実は日々、飼っているシベリアンハスキー(オス・4歳)の抜け毛の掃除と戦っています。

が、そんな話はさておきまして。

今日は、地方企業が価格競争から脱却し、売上10億円規模へと成長した事例から。

彼らは厳しい価格競争が激しい業界で、どのように価格競争から脱却し、V字成長を実現したのか?

その成功要因を独自のマーケティング視点で読み解いて、あなたへ、使える武器として届けます。

◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆

●消費者欲求を掴むことで、商品がもたらす新しい価値を創造

●ブランド価値を高め、価格競争から抜け出せ

●体験をつくることで顧客を引き寄せよ

┃書籍「SDGsビジネスモデル図鑑
┃〜社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)は、
┃本メルマガと併用することで
┃経営革新の強力な武器として活用頂けます。

Googleが社会的、文化的、経済的に貢献した日本人100人の一人として選出

→https://amzn.to/47X1ykV

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆ターゲット設定:誰に向けて何を届けるのか?

今日の事例題材は佐賀県で三代続く豆腐店・佐嘉平川屋さんの事例より。

〜以下、引用〜

”豆腐業界を見渡すと、豆腐店は価格競争の波にのまれ、廃業が加速している。豆腐はもともと保存期間が短いため、かつては地元に根ざした製造小売りの小さな店舗が多数存在していた。

だが、製造技術の発達により賞味期限が伸びるだけでなく、物流の発達と小売りチェーンの台頭が相まって、スーパーマーケットなどに商品を卸すBtoBtoC(企業間取引の先に消費者をつなぐ)の形態が主流になった。

この形態が、多くの豆腐店が廃業し業界全体が縮小していく引き金となった。豆腐店には価格決定権がない中で、圧倒的な販売力を誇る小売りチェーンに販路を頼らざるを得ないという、小売り有利のゆがんだ構図ができていったのだ。

小売店との取引を継続しようと、豆腐店同士の価格競争が激化。もともと安い豆腐の単価はさらに下がり、薄利多売に耐え切れなくなった店が次々に廃業していった。

佐嘉平川屋もかつて、廃業の危機にひんしていた。”(引用:日経クロストレンド)

〜引用、ここまで〜

このように、業界構造的に苦境に追い込まれていたことがわかります。

そんな状況から同社が成功した要因の一つに、ターゲット層を明確に設定した点が挙げられます。

従来の「安さ」を求める顧客だけでなく、上質で地域独自の体験を求める観光客や、贈答品としての利用者層をメインターゲットに据えたことが明確なブランド価値を生み出す機会となりました。

佐賀の嬉野温泉街に実店舗を構え、温泉湯豆腐のような独特の体験ができる商品で「地元の魅力を味わいたい」「特別な贈り物をしたい」という需要に応えています。

このターゲット設定が、「薄利多売」から脱却するための基盤となっています。

<ポイント>

商品をどのような顧客層に届けるか、ターゲット設定が価格競争から抜け出し、ブランド価値を創出する第一歩になる。


◆消費者の欲求をとらえる:「地域性」と「特別感」

地域文化を活かした商品づくりによって、同社は消費者の「他では味わえない特別感」を味わいたいという欲求にもしっかりと応えています。

特に看板商品「温泉湯豆腐」は、佐賀の温泉水で柔らかく炊かれた豆腐を提供するもので、観光客が地元の文化を体験するのにぴったりの商品です。

さらに、店頭での購入者だけでなく、オンラインでも贈答用やリピーター向けとして販売されており、全国から佐賀の名物を楽しみたい、という新たなニーズも取り込んでいます。

こうした地域特有の特徴を持つ商品は、一般的な商品とは異なり、消費者に「特別な体験」として印象に残りやすく、リピートを促進する要因にもなります。

<ポイント>

地域文化や特別感の演出が、消費者の欲求を満たし、「またあの体験を楽しみたい」と思わせ、購買意欲を掻き立て、拡散させる力となる。


◆新市場の創造:直販とブランド体験の場で新規顧客を獲得

豆腐業界では、製品の大半がスーパーに卸され、低価格での大量販売が一般的。

ですが、同社はあえてその常識を覆し、直販の拡充を目指しました。さらに、観光地に実店舗を構え、そこでの体験を通して通販サイトへと誘導する広告塔としても機能させました。

店舗は単なる売り場ではなく、観光地の一部として消費者に「佐賀の豆腐」を強く印象付け、商品価値をさらに高めています。

実店舗とECサイトを組み合わせたこの戦略により、「佐賀を体験したい」「特別な贈り物をしたい」という新たな市場を創造し、利益率の高い販路を確保することに成功しています。

<ポイント>

直販とブランド体験を通じて顧客と直接つながり、新たな市場を作り出す。このアプローチによって、価格競争から脱却し、持続可能な成長モデルを築いています。


◆まとめ

今回の事例には、どの業種にも応用可能な重要なことがあります。それは、「ターゲット設定」「消費者の欲求をとらえる」「新市場の創造」の3つの鍵です。

とても重要なので、ここで3つを整理しておきますと、

  1. ターゲット設定明確なターゲット設定は、顧客のニーズに的確に応え、価格競争に巻き込まれないブランド価値を創出する第一歩になります。そしてその上で、同社のように、地域文化や地元独自の魅力を商品に反映させることで、差別化が可能となり、高価格帯でも価値を提供できるようになります。
  2. 消費者の欲求をとらえる消費者の「他では得られない体験を求める」欲求を捉えることで、ブランドの独自性が強化されます。そして、地域文化やストーリー性のある背景が深い商品は、消費者にとって新鮮な体験、伝えたい体験となり、贈答品や特別な日のお供として選ばれやすくなります。このような商品構成は、業種を問わず、ブランド価値を高めリピートを促す大きな要因となります。
  3. 新市場の創造:コアイシューを軸にした市場参入社会や地域、業界構造によって当たり前とされてきたが故に、深くむしばんできた課題解決を実現することで、新たな市場を作り出すことが可能。そして、同社が地域文化を体験できる場としての店舗を展開し、豆腐を食品ではなく、観光資源に変えたように、課題に根ざした新たなアプローチは、独自の新市場を創造する機会となります。業界の当たり前はビジネスのブレイクスルーとなる核心的課題=コアイシューの宝庫です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

それでは、次回もビジネス成長に役立つ、具体的な武器をお届けいたします!

ーマーケティングを、消費者の課題解決とあなたの事業成長の武器に

深井

PS

冒頭に思わず書いてしまいましたように、我が家にはシベリアンハスキー(オス・4歳)がいて、通年抜け毛量がとんでもないので、ブラッシングをしてもしても追いつかず、いつも車の中は毛だらけ。。。

掃除用のコロコロテープが欠かせません。

ですが、このコロコロテープ、いまだに綺麗にむけるものに出会ったことがありません。。。むくたびに、むき目がわからなかったり、むいている途中で変なところで破けてしまったり、、、あのストレスと時間の無駄はいつもなんとかならないものかと思っています。

ダブルコートで抜け毛の多い犬種を飼われているみなさん。車の掃除はどうされていますか??

もし、おすすめのコロコロテープがあるよ!という方はぜひこっそり教えてください!

ご連絡お待ちしています。

投稿者プロフィール

深井宣光
深井宣光
価値づくり日本
価値づくり成長戦略プロデューサー

(株)バリューイノベーションジャパン
 新価値創造事業 CCO

一般社団法人SDGs支援機構 事務局長/経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業サポーター/東京都スタートアップ支援事業「NexsTokyo」メンター/JーStuartup WESTサポーター等を務める。

社会課題をビジネスで解決する仕組みと成功法則の調査・研究者。各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐に渡って活動。NHK WORLD JAPAN「未来計画Q」公式サポーティングパートナー、フジテレビ「チャギントンSDGs」シリーズの他、日本テレビ「ZIP!」、テレビ東京「秒でNEWS180」「美しき捨て方」等、各局のTV番組等を監修及び出演。Googleが世界規模で推進する「Humans of YouTube」にて、社会的・文化的・経済的に有意義な影響を与えた日本を代表する100人の一人に選出。著書に「小学生からのSDGs」(KADOKAWA)。「SDGsビジネスモデル図鑑・社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)がある

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA