<ジョンソン株式会社公式サイトより引用>

天ぷら油を固めて捨てる「テンプル」

今日は、
売れる商品を開発するうえで
役立つ誕生秘話
をお届けします。

天ぷら油処理剤「テンプル」は、
1983年に発売され、32年間以上
シェアNo1を続けているロングセラー商品。

この商品のコンセプトは、
梅澤式の醍醐味の1つである

消費者のフリートークから
消費者を行動へと駆り立てる
「隠れた強い欲求」を引き出す手法
を用いて

一般家庭のモニター主婦の
集団面接から生まれたものです。

そして、

台所でやりたくないけれど、やっていることは何か

を自主的に話し合ってもらいました。

ここで
注意しなければいけないのは
消費者のニーズを探るために

「台所用品としてどんなものが欲しいですか」
と質問するのは最悪
です。

なぜなら、この問いからは、
隠れたニーズ(欲求)は得られないからです。

そこで集まった主婦から
「やりたくないけれど、やっていること」として、

・まな板のぬめり取り
・換気扇の汚れ取り
・ガスレンジ周りの吹きこぼれ取り
・天ぷら油の処理

等々があげられました。

そのなかで、
「みなさんは、天ぷら油の処理をどうされていますか?」
という質問をされた主婦がいました。

すると、
「流しの真ん中に穴が空いているのは、何のためか知っているでしょう?」

と後ろめたさを隠すように
答える方が出てきた一方で

でも、流し台に捨てると
パイプを詰まらせたり、
河川を汚すと聞きましたので、
そこは捨てにくいと答える方も出てきました。

それを受けて
最初に質問を投げかけた方が、

「そういうことが心配で、
流し台には捨てられません。

そこで新聞紙を丸めて油を吸わせ、
牛乳パックに詰めるという作業を繰り返して、
やっとごみとして出しています」と発言しました。

これはまさに
「やりたくないけれど、やっている」
作業の典型でした。

ごく少数、庭や畑の
植物の肥料に使っているという
主婦もいましたが、彼女たちは
特に生活上の問題はなく、むしろ廃油を役立てていました。

肥料として油を捨てる
畑などない首都圏に限ると、

3割以上の良心的な主婦が、
面倒な作業を余儀なくされていました。
そこで梅澤氏は「これだ!」とひらめいたそうです。

「手軽に、手を汚さず、天ぷら油を良心的に処理したい」こそ、
家庭の主婦の隠れた強い欲求(未充足の強いニーズ)だと。

そのニーズに応えるためには、
廃油を固めてゴミ箱に捨てられれば便利です。

当時、梅澤氏が勤めていた
ジョンソンの技術力では、
油を固めることは石鹸づくりと同じで、
技術上の大きなカベがありません。

売れるアイデアを潰すのは社内

さっそく、
コンセプトに沿った商品が作られ、
発売前にバイヤーを対象に説明会を開くと、

「タダで捨てていることに、
 カネを使わせる商品なんて売れるはずがない」
と取り扱いに難色を示されました。

当時は、バイヤーのほとんど全員が男性、
主婦の潜在的な悩みなど知る曲もありません。

そこである若手セールスマンの思いつきで、
「試しに、奥さんやお母さんにお土産に持って帰ってください」
とやったら、翌日から大反響です。

「よくぞこんな便利なものを作ってくれた」
「私たちの苦労を、よくご存知で」
「あの面倒な作業から解放される」

と次々に
バイヤーの奥さんたちから
賞賛の声が届けられたのです。

流しに直接捨てていた主婦も、
罪悪感からこっそり捨てていましたが、
「これを使えば堂々と捨てられる」と大歓迎です。

このような声で、
バイヤーたちの評価は逆転しました。

そこで「固めるテンプル」は、
発売すると爆発的なヒット商品となり、

環境問題を背景に
マスコミも広く取り上げてくれて、
瞬く間に知名度が上がり、全国に普及するようになりました。

この商品コンセプトが、
単に便利商品というだけではなく、
「良心的に捨てる」という、環境保護の面から
社会貢献できる商品という意味も込められているからです。

ちなみに、後日談ですが、
急激に伸びた売上が頭打ちになってきた頃、

「流しは海の入り口です」
というキャッチフレーズを考え出し、

消費者に環境問題を
強く意識してもらうようにしたところ、

再び勢いを盛り返し
今日までトップブランドとして
ロングセールを続けているのです。

30年以上も
市場シェアNo1を取り続けている
固めるテンプルですがその要因は

環境汚染対策という
社会性のある商品だと打ち出してきたことも、
無縁ではないと思いますが、

何より「天ぷら油処理剤」という
市場に「新カテゴリー」を生み出したことが
最大の要因です。

新カテゴリーを生み出すことで
競合争いがなくなる。

類似商品が10年以上
市場シェアNo1をもたらす確率は
わずか、0,5%。

一方で
新カテゴリーをつくった商品が
市場シェアNo1をもたらす確率は
50%以上。

つまり、10年以上も
たった1つの商品が会社に莫大な売上・利益を
もたらし続けてくれるということです。

あなたは類似商品をつくるのか
新カテゴリーをつくるのか
どちらの道を選択しますか?

梅澤伸嘉とは誰か?

100以上の大ヒットロングセラー商品の
生みの親でもあり商品開発の神様と呼ばれた
伝説のマーケター

多産多死が常識の商品開発と決別し、意図して、
コンスタントにロングセラーをつくる画期的な
梅澤式・商品開発法を体系化。

これまで1万人を指導し、
「梅澤式」によって開発された
大ヒット商品の数々は数えきれない

その一例をあげると、
「ファミコン・DS脳トレ」「ウコンの力」
「午後の紅茶」「テプラ」「じゃがりこ」
「写ルンです」「R1」「釣りスプリッツ」

「ブレスケア」「カビキラー」「スキンガード」
「キシリトールガム」「サンスタートニックシャンプー」
「スーパーカップ」「明治おいしい牛乳」…ほか多数

10億円規模を目指す中小企業向けに
梅澤式を再現性高く成果を出せるように
体系化した立役者

100以上の大ヒットロングセラー商品の
生みの親でもあり商品開発の神様と呼ばれた
伝説のマーケター

商品企画エンジン株式会社
代表取締役 梅澤大輔

商品開発の神様と呼ばれ、
7兆円あまりの売上に貢献した
天才マーケッター梅澤伸嘉氏のご子息であり、
その手法の全てを伝授された唯一の正統後継者として、
梅澤式を専門に指導する唯一のコンサルタント。

その手腕は父親に負けず劣らず。
伸嘉氏が生み出した梅澤式は
大企業を中心に広まりましたが、

大輔氏は、中小企業でも
再現性高く成果を出せるようにした立役者。

2011年梅澤式の商品企画を継承するために、
伸嘉氏と二人で商品企画エンジンを創業。

梅澤式商品づくりを進化させながら、
10億規模のビジネス創出を本気で目指す
中小企業にコンサルティングを行う。

2023年には、経営合理化協会より、
1年以内に売上10億円を超える実践マニュアル
“10億アイデアのつくり方”を出版。

投稿者プロフィール

梅澤式ヒット商品化

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