こんにちは 深井です。
今日のメルマガでは、昨日の外出体験の分析から発見した、既存事業に新しい価値を見出し、新しい市場を切り開くヒントを、あなたのビジネス成長の武器としてお届けいたします。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「大衆向けブランディング」の裏に潜むもう一つの市場
●「顧客体験」を最大化することで、価格を倍にしても満足感を提供
●「プロセス」の認知と「こだわり商品」をどう生かすかがカギ
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昨日は、久しぶりに車で20分ほどの距離にある天ぷら屋さんに行ってきました。
以前も何度か食べに行ったことがありとてもな満足していたので、今回もワクワクした気持ちでお店に向かいました。
このお店、実はリーズナブルな価格設定で、ランチは複数あって、どれも千円前後。それでいて、一度にすべての天ぷらを提供するのではなく、一品ずつ揚げたてを持ってきてくれるかなり贅沢なスタイルなんです。
お店の佇まいは「大衆食堂」といった感じで、店内に入るとすぐに券売機があって食券を購入。静かながらも活気ある雰囲気が漂っていて、お水やお茶もセルフサービスです。
一品ずつ揚げたてで、目の前に運ばれてくる天ぷらは、衣がぱりっとしていて、揚げたての香りが最高です。そしてこれが、あつあつでとても美味しい!
しかも、大注目なのは北陸産のイカを使った特製イカの塩辛食べ放題。小皿に少しではなく、「食べ放題」です。
※この特製塩辛はお店で販売もしています。
揚げ物を楽しみながら、生臭くなくて美味しい塩辛を少しずつ食せる楽しさは、リピーターを呼ぶ要素のひとつになっています。
事実、これだけで何倍でもご飯が食べれてしまいます。
さて、いよいよここからは、
本題の既存事業に新しい価値を見出し、
新しい市場を切り開くヒントについて。
◆大衆向けブランディングで、地域需要とマッチ◆
この天ぷら屋さん、現時点では大衆向けブランディングで、リーズナブルな価格帯で認知されています。
だからこそ、地域の需要と見事にマッチして、サラリーマンや家族連れなど幅広い層が気軽に立ち寄れるお店として人気があるわけですが、
一品ずつ揚げたてを提供するスタイルと、食材のこだわり、さらにはおもてなしのサービス、ここに大きな可能性があると感じました。
なぜなら、今のブランディングは大衆向けですが、実際に体験すると「富裕層向けのブランディングに切り替えた別ブランドを展開したとすると、2倍の価格でも十分満足できる」と納得できるクオリティがあるからです。
◆プロセスを見せて顧客体験を高めることで価格の倍増も可能◆
揚げたての天ぷらを一品ずつ、最適な温度で提供される体験。
それだけで「特別感」が増していますし、単なる食事ではなく**「体験」**として顧客に訴えかけることができます。
席に座って、目の前で揚げられた料理が一品ずつ運ばれるときの、温かさや食材特有香りの演出。
この手間のかかっているサービスは、単なる大衆向け飲食店とは一線を画し、プレミアムな価値があります。
しかも、特製イカの塩辛食べ放題という贅沢な付加価値があるので、この金額でこんなに満足できていいの?と思わせられます。
こうした顧客体験を、ターゲットを変えた路線で展開することで、価格を倍にしても「これはお得だ」と感じさせる戦略が実現できるはずです。
◆富裕層向けブランディングの可能性◆
この天ぷら屋さんは、大衆向けブランディングで成功しているので、今の店舗を富裕層向けにリブランディングする必要はありませんが、
もし、あなたがこの天ぷら屋さんの
富裕層向けのブランディング版を展開するとしたら、どうしますか?
きっと多くの人は、
- 店舗デザインの見直し:内装や雰囲気をさらに洗練された空間にし、個室を用意して「特別感」を強調する。
- 限定メニューや特別コースの提供:例えば、季節の天ぷらや産地直送のこだわり食材を使ったコース料理を高単価で提供する。
- サービスのパーソナライズ化:顧客一人ひとりの好みに合わせたサービスを提供することで満足度向上。
そんな風に、見た目の高級感と、サービスなどの「質」の向上を想像するかもしれません。
ですが、これには店舗費用、ラインナップをふやすことで食材ロスによる利益率低下可能性、人件費コストなど、なかなかのコストとリスクの強要力が必要になります。
ですので、私がやるとしたら「認知」の力を存分に発揮するべく、
- カウンターのみ
- メニューなし
- 予約がなかなか取れない
などの最低限の前提環境を素早くコストをかけずに作った上で、こんな戦略を立ててテストマーケティングをスタートするかも知れません。
◆隠れた価値を「見える化」して認知を広げる◆
どれだけ素晴らしいサービスや体験を提供していても、知ってもらわなければ始まりません。
そこで、自店の価値を魅力的に伝えるために、まずは「隠れた価値を見える化」する戦略を設計。
たとえば、この店の一品ずつ揚げたてを提供するというスタイルは、非常に価値が高いです。
でも、この体験はお店に来たお客さんしか知らないですし、とてももったいないです。
つまり、その価値は来店してない人には存在してないんです。
なので、まず考えるべきは、この「1品1品揚げたての天ぷらを提供してくれる贅沢体験」をどのように認知させるかを考えます。
例えば、、、
調理や提供のの一瞬を切り取った写真やショート動画をSNSやウェブサイトに掲載し、「目の前で揚げられる天ぷら」という特別な瞬間をリアルに感じてもらったり。
これにより、まだ訪れていない人にも「どんな体験が待っているのか」を視覚的に伝え、興味を引くことができます。
◆メディア露出を最大限に活用する◆
次に効果的なのは、メディア露出。
特に地元のライフスタイル雑誌や、グルメ情報サイト、ブログ、インフルエンサーを通じて、天ぷら屋さんの「こだわりのサービス」を、彼らから自ら紹介してもらうことで、一気に認知度を広げられます。
ポイントは彼らから「取材させてください。」とお願いされる仕掛けをすることです。
たとえば、「北陸産の新鮮なイカを使った特製イカの塩辛食べ放題」などのポイントだけでなく、
メニューがない天ぷら店、行列のできる天ぷら店なども、行ってみたくなる魅力的な認知になります。
また、単なるグルメ情報だけではてなく、職人さんのこだわりやお店の歴史に焦点を当てたストーリーの認知は、感情に訴えかけ、より強い印象を残すことができるので取り入れない手はありません。
◆ターゲットを絞った「広告」の活用◆
そして、ターゲットをしっかりと戦略的に絞った広告も、認知を広げるための有効な手段です。
特にFacebookやInstagramなどのSNS広告なら、特定のターゲット層に直接アプローチできます。
ここで大切なのは、広告にただ「おいしい天ぷら」というメッセージを載せるのではなく、「特別な体験」「こだわりの素材」「一品ずつ揚げたてで提供」といった**「体験価値」の認知設計をしっかりとすることです。
これによって、単なる食事ではなく、「その体験をしたい」と認知してもらうことが狙いです。
◆顧客自身に認知を広げてもらう「口コミ戦略」◆
認知戦略の中でも強力なのが、「お客さんに口コミを広げてもらう」ということ。
ですが、たとえば、「食事の写真を撮ってSNSにハッシュタブをつけて投稿すると、次回使える10%オフクーポンを進呈」といった簡単な割引や特典提供なんて、今どきどこでもやっていますよね。
なのでそんなことでは、自然に口コミが広がりませんし、富裕層向けのブランディングをしたいのにそんなことをしていたら、全てが台無し。元もこもありません。
それで認知が広がりますよ。というのは、広告代理店さんのポジショントークに過ぎません。
ですので、ここでも大事なのが、「シェアしたくなる体験を売る」意図的に作るということ。
これらの戦略を実行すれば、2倍の価格でも満足させることができる富裕層向け部ブランディングの最初のテストがまずはできるでしょう。
まとめ
今回訪れた天ぷら屋さんが持つ「一品ずつ揚げたてを提供する」という強みと「こだわりの食材」、そして「食べ放題の北陸産イカのみを使用した特製イカの塩辛」という価値は、ターゲットを変えれば、価格を上げても喜ばれる要素が満載です。
もし、あなたのビジネスでも「価格競争に巻き込まれたくない」と悩んでいるなら、まずは顧客がどんな体験を求めているのかを考え、それに応える新しい価値の設計や認知の仕掛けを考えみてください。
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それでは、次回もビジネス成長の武器をお届けします!
ー事業繁栄のその先へ
深井
投稿者プロフィール
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価値づくり日本
価値づくり成長戦略プロデューサー
(株)バリューイノベーションジャパン
新価値創造事業 CCO
一般社団法人SDGs支援機構 事務局長/経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業サポーター/東京都スタートアップ支援事業「NexsTokyo」メンター/JーStuartup WESTサポーター等を務める。
社会課題をビジネスで解決する仕組みと成功法則の調査・研究者。各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐に渡って活動。NHK WORLD JAPAN「未来計画Q」公式サポーティングパートナー、フジテレビ「チャギントンSDGs」シリーズの他、日本テレビ「ZIP!」、テレビ東京「秒でNEWS180」「美しき捨て方」等、各局のTV番組等を監修及び出演。Googleが世界規模で推進する「Humans of YouTube」にて、社会的・文化的・経済的に有意義な影響を与えた日本を代表する100人の一人に選出。著書に「小学生からのSDGs」(KADOKAWA)。「SDGsビジネスモデル図鑑・社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)がある
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