人口7億人の巨大市場
ASEANは人口7億人を擁する巨大市場であり、
具体的には
・インドネシア:約3億人
・フィリピン:1億人以上
・ベトナム:1億人以上
・タイ:6000万人以上
・ミャンマー:6000万人以上
さらに、世界銀行の推定によるとASEAN全体の人口は、2050年には8億人近くまで増加する見込みです。しかも、完全自由で国際競争力のある市場の創設に向けて各国の努力が続いている状況。
<参照:書籍「ASEAN」企業地図より>
ベトナムで新市場を創造しシェア40%
そして年々、人口が増え続けるベトナムで、新しい市場を早期に創ってきたのがエースコックの「HaoHao(ハオハオ)」です。
(参照:エースコック公式サイトより)
エースコック・ベトナム株式会社の現取締役会長である梶原潤一氏は、このようにおっしゃっています。
(書籍:梅澤式・ロングヒット商品開発より)
ベトナムの即席麺市場を調査研究し、消費者の使用実態も知ることができましたが、当時は袋麺しかなかったベトナムで、ユーザーは即席麺(袋麺)を鍋で煮ることはせず、器に入れて熱湯をかけるだけの調理方法が一般的でした。
ただ、ベトナムの既存の設備で製造する袋麺の場合は、この調理方法には不向きで麺の戻りが悪かったり、ムラができる状態であったにも関わらず、ユーザーは不満をいうことなく、食べているという半ば諦めに近い状態であり、まさに、充たされていない強いニーズがあることに気づいた瞬間だったと、おっしゃいます。
エースコック社は、ここに注目し、煮炊せずにお湯で戻る麺を作るためのカップ麺用の製造設備を導入し、カップ麺用の麺を袋に入れて発売をすることで、エースコック社のパフォーマンスは際立って優れたものになったそうです。
こうしてベトナム人にとって馴染みのある家庭の味を再現した新商品「HaoHao(ハオハオ)」をリリース。「HaoHao(ハオハオ)」という「良い」や「好き」という意味合いを持つブランド名のこの商品は、発売直後から大きなヒット商品になり、その後、10年間はいくら作っても足りない状態が続いていたそうです。
市場シェア40%・21年間で累計300億食
エースコックがそもそも海外のベトナムで目指したものは、競合他社と同様の商品をつくって、価格競争による泥沼のシェア争いをすることではなく、既存の即席麺市場とは、異次元の品質と味をもつ新しい食品として受け入れていただくことでした。
進出当時ベトナムでの即席麺の総需要は、年間12億食程度でしたが、人口増大の影響もあり、その後2010年には約50億食、2022年には80億食にまで拡大しています。
ベトナムで1995年に即席麺の生産販売を開始して以降、その市場シェアは脅威の約40%に達し、主力商品「ハオハオ(H?o H?o)」は、発売した2000年から21年間で累計300億食をベトナム国内で売り上げ、2022年度売上高は762億4千900万円、前年比34.8%増の海外で市場拡大を続けています。
自社の技術を海外に転用することで
エースコックの事例では、元々ベトナム人が食べていた即席麺は、麺の戻りが悪かったり、ムラができる状態であったにも関わらず、半ば諦めに近い状態で食べていました。そこで、自社の技術をベトナムの市場に転用・応用し、新市場を創造した結果、21年間で累計300億食、さらに、2022年の海外事業売上高は762億4千900万円へと成長を遂げたわけです。
日本の技術力は世界トップレベルですから、たとえ、日本国内では競合がひしめく中でも、御社の技術・サービスを海外に転用・応用できないかを考えることで、新しい事業機会の可能性に溢れているかもしれません。
そして、まさに日本では売上に伸び悩んでいたものの、市場を日本から海外にすることで、社員わずか6名で世界100カ国に展開したのが、日本ポリグル社です。しかも、利益率は60%。
・人口が増え続ける各国でどのようにビジネス展開をしているのか。
・そして、なぜわずか社員6名で世界100カ国に展開できたのか。
・なぜ、海外展開を考えはじめたのか。
このあたりについても、5月22日(水)に実施する企業視察で公開します。
PS:
海外進出の際の課題の1つが、現地ネットワーク。
そこで今回の企業視察に参加kされた方は、世界100カ国にネットワークを持つ日本ポリグル社と協業の可能性もあるかもしれません。
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