今日6月30日、トヨタ子会社が下請法違反で勧告を受けたというニュースが日経新聞で報じられました。

下請法違反の疑いが持たれているのは、救急車などの生産を手がける横浜市にあるトヨタの子会社。

発注の見込みがないにも関わらず、金型や検査用器具を下請け企業約50社に無償で長期間保管させ、また、下請け企業に責任がないにも関わらず、計5,000万円以上の車体パーツを返品して損失を負担させたというニュースです。

今年の5月には日産自動車が、下請け企業に対し、納入時に支払う代金を一方的に引き下げていた問題が起こったばかり。ですが、このような話は何も珍しい話ではありません。

悪しき習慣「下請けいじめ」

公正取引委員会の資料によると、2022年度の下請法違反による指導件数は過去最高の8,665件。勧告は6件に止まるものの、これらの「下請けいじめ」と称される事例は業界の悪しき慣習として知られています。

例えば値段取り決めの際の無理な金額提示や、原材料高の昨今でも値上げを認めず抑圧、金型の長期保管や発注したにもかかわらず返品するなど、近年問題が深刻化。

さらに国内約1.500社を対象に行った「価格転嫁」の動向調査によると、昨今の円安などによる原材料費の高騰や人件費の高騰によるコスト上昇分を、販売価格やサービス価格に「全て価格転嫁できている」と回答したのは、わずか3.9%。

買い叩きや協力値引き、調整値引きなどで利益が薄い中、世界に誇る日本の自動車産業の多くの下請け企業が、さらに利益が出ず苦しんでいます。

そんな中、「脱下請け」に取り組んだ企業が、神奈川県でプレス金型の製造をする株式会社ニットーです。

自社製品開発による脱下請けで、取引数10倍に!

神奈川県でプレス金型の製造をする株式会社ニットーは、プレス金型から板金加工、設計、試作、量産まで対応できる創業55年のメーカー。

「良いモノを作れば、そのモノが営業をしてくれて、次の仕事を持ってきてくれる。」

とモノづくりに専念していたものの、下請け体質のままでは、下請けの姿勢が染み付いてしまうので、新しい発想が生まれない。元請依存のままではいけないと、自社開発の製品づくりを始めました。

その結果、日本で初めて、中小製造業の自社製品としてクラウドファンディングを使い販売したオリジナルのスマートフォンカバー『Trick cover』は、2012 年の発売以降、2022年時点で世界 43 カ国で 50,000 台の出荷を達成、数億円の売上を作り上げました。

さらに株式会社ニットーは、「アルケリス」という、身体への負荷を軽減する、アシストスーツと呼ばれる分野の事業も展開。

世界人口の約 7.5%、約 5 億7,700 万人が悩み続けている「腰痛」の原因の一つである「立ち仕事」に対して、自社の強みである技術力を発揮し、

高収益の自社製品を、トヨタ、ダイハツ、ダイワハウス、三菱ケミカル、味の素、住友重機工業、などなど、大手上場企業へと次々に導入することに成功し、更なる開発と事業拡大に挑戦されています。

脱下請けの鍵は自社技術にあり?

日本が世界に誇る自動車産業、この自動車産業で8社を頂点としたサプライチェーン企業の総数は、2024年5月時点で約6万社。三次請けの企業の数だけでもその数は約2万社にもなります。

ですがそのほとんどの企業が、国内生産で高い技術力を持ち続けながらも、昨今、ほとんど利益が出ていない状態にあるといわれています。

ではどうしたら良いのか。

その答えの一つが、自社開発製品です。自社開発を行うことで、中間マージンを挟まず高い利益率を出すことができますし、コスト競争になる可能性も低く、価格競争になることもありません。

実際今日お伝えした株式会社ニットーも、自社開発で製品を作り出したことで、取引数を10倍に増やすことに成功しています。

その他にも、

・高収益を生み出す新しい価値創造で、廃業寸前の赤字老舗企業がV字回復
・穴を空けただけでに新価値創造に成功し、需要拡大!収益を5倍に
・既存技術にイノベーションを起こし、業績を300倍にした東大阪の町工場

・脱下請け!小さな下請け企業の売上を20倍にした新価値創造戦略
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このような、低収益・低成長のものづくり企業が、高収益・高成長企業と生まれ変わった21の成功事例が、明日7月1日までこちらのページから手に入れることができます。

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