価値づくり日本

こんにちは  深井です

今回は、100年以上続く老舗鋳物メーカー「能作」が取り組んだ事例を元に、常識にとらわれないマーケティング戦略で、あなたの会社を急成長させるためのアクションプランを武器としてお届けいたします。


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同社は、もともと仏具や茶道用の花瓶などを作っていた会社でしたが、「ムコ社長」として業界に飛び込んだ能作克治氏のリーダーシップのもと、売上を1億円から18億円へと大幅に伸ばすことに成功しました。(今回の事例参考:がっちりマンデー2022年10月16日放送)※売り上げ高は放送当時のものです。

画像6

(出典:がっちりマンデー)

では、その成功の秘訣は、どこにあったのか?そして、どのように私たちも活用できるのか?

それでは、ここからは解説とアクションプランを順にお届けしていきます!

◆ 固定概念を覆し、新しい価値を提案する「ブルーオーシャン戦略」


同社急成長の引き金は、従来の金属製品の常識を打ち破り、新しい発想で市場を切り開くことにありました。

従来、錫(すず)は他の金属を補強するために合金として使用されることが一般的で、単独の製品として使われることはありませんでした。

しかし、

当時社長に就任した能作克治氏(現会長)は、もともとカメラマンという異色の経歴を持ち、鋳物業界には全くの素人でした。そのため「金属は硬いもの」という業界の常識にとらわれることなく、この錫をあえて100%で使い、これまでにない「柔らかい金属」という価値を提供することを考えました。

その結果、これまでの金属食器ではありえなかった「曲がる金属製食器」という全く新しい市場を実現することに成功。

この「曲がる食器」は、錫(スズ)100%の素材でできており、柔らかく自由に曲げることができ、曲げ方によっていわば世界に一つだけ、その瞬間を演出する価値も生み出しています。

◆ 新しい市場を創り出すことで競合のいない独自のポジションを確立

「曲がる食器」という体験価値が注目され、能作は今や観光スポットとしても多くの来場者を迎えるまでに成長しています。

特に人気を集めているのが、食器やカゴなどを自分好みに曲げて使える「KAGO」。この製品は1万4,300円という価格でありながら、累計20万個も売れる大ヒットとなっています。

さらに、使うほどに手に馴染むタンブラー「NAJIMIタンブラー」も、年間2万個も売れる大人気商品です。こうした商品の成功を通じて、能作は「競合のいない新市場」で独自のポジションを確立しています。

◆ 行動に移すための3つのアクションプラン


さて、では、いったい同社の成功事例を私たちが活かすにはどうすればいいのでしょうか?

ここからは、そのための具体的なアクションプランです。

  1. 固定概念や業界の常識をリストアップする
    自社業界の「当たり前」や「常識」を書き出し、どれが「固定概念で続いているもの」か見極めましょう。たとえば、商品の使用方法、素材、ターゲット層などが対象になります。
  2. 「もしこうだったら?」と仮説を立ててみる
    リストに挙げた常識を全くありえなかった方向に反転させ、全く違う視点から仮説を考えてみましょう。
    例:「硬い素材を柔らかくする」「ターゲットとする年代を、中年層から20代に変える」「専門知識が必要だったなど、従来の前提を崩すことで新しいアイデアが生まれる可能性があります。
  3. 実験プロジェクトを設定し、小さくテストする
    仮説をもとに、プロジェクトを立ち上げ、アイデアを実際に市場に出してみて、マーケティングテストを行いましょう。デジタルマーケティングを取り入れれば、数字で市場の反応を把握することができます。

新しい価値を盛り込んだ製品やサービスを、小さなターゲット市場でテスト販売し、反応やフィードバックを収集します。

例:「パッケージを変えた試作品を小ロットで製造し、テストマーケティングの反応を見る」など、まずは小さな挑戦でリスクを抑えます。

テスト結果を検証し、次の仮説を立てて、さらにブラッシュアップを重ねましょう。

◆ あなただけの新市場を創造するための「今日の問い」
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「自社の製品やサービスには、既存の常識を覆し、新たな価値を創り出す要素がないだろうか?」

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年商1億から18億への急成長を実現した能作のように、業界の「当たり前」を再考することで、あなたの会社だけのブルーオーシャンが見つかるかもしれません。ぜひ自社のアクションプランを活用し、競合なしの新市場創造を!

—事業成長のその先へ

深井

投稿者プロフィール

深井宣光
深井宣光
価値づくり日本
価値づくり成長戦略プロデューサー

(株)バリューイノベーションジャパン
 新価値創造事業 CCO

一般社団法人SDGs支援機構 事務局長/経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業サポーター/東京都スタートアップ支援事業「NexsTokyo」メンター/JーStuartup WESTサポーター等を務める。

社会課題をビジネスで解決する仕組みと成功法則の調査・研究者。各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐に渡って活動。NHK WORLD JAPAN「未来計画Q」公式サポーティングパートナー、フジテレビ「チャギントンSDGs」シリーズの他、日本テレビ「ZIP!」、テレビ東京「秒でNEWS180」「美しき捨て方」等、各局のTV番組等を監修及び出演。Googleが世界規模で推進する「Humans of YouTube」にて、社会的・文化的・経済的に有意義な影響を与えた日本を代表する100人の一人に選出。著書に「小学生からのSDGs」(KADOKAWA)。「SDGsビジネスモデル図鑑・社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)がある

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