新規事業 社会課題 人手不足

今や印刷だけでなく、半導体関連まで手がけるTOPPNホールディングスが人材不足課題の解決に、これまでに聞いたことのないまさかの打ち手を4月からスタートさせるというニュースが日経新聞(2024/03/03)で報じられていました。

その打ち手とは、『社内転職サイト』です。

各部門の業務内容や求める人材スキルなどを掲げて部署異動の希望者を公募する社内サイトを立ち上げる。まず成長事業を中心に約50職種で始める。人材の流動性を高めて製造業向けシステムといった「デジタルサービス」などの事業に手厚く配置できるようにする。社員が狙うキャリアとのミスマッチを減らして離職防止にもつなげる。(同記事より引用)

つまり、そこまでしてでも離職を防がなければいけない人手不足が日本に訪れているという危機感への表れであります。

社内転職希望者は専用サイトをみて、人事部を介さずに応募先の部門からの書類選考と面談を受けて通れば自由に社内転職をできるというのです。

対象の社員さんは”国内主要3社の社員計約1万3000人”とのことで、この制度を利用して社内転職をする人は、元々いた部署との関係性はどうなるのか?流出してしまった人材の不足を元々の部署はどうするのか?など気になるところではありますので、追って調査を続けたいと思っていますが、実はそれよりも直視しなければいけない不都合な真実があります。

それは...

3年以内に3人にひとりが離職の現実…

現在、日本国内の離職率は、就職後3年以内の新規高卒就職者で37.0%。新規大卒就職者で32.3%。

つまり約3人にひとりは3年以内に離職しています。

例えば大卒就職者一人当たりの採用費用は90万円~95万円程度。上場企業では約1,500万円、非上場企業では約400万円弱のコストがかかっているという調査結果もあり、そのうちの3人にひとりが離職してしまうとなれば企業にとって溜まったものではありません。

ですが、そもそもせっかく入社した企業をわずか3年にも満たずにやめてしまうのか?それは…

人材ミスマッチ度、世界33カ国中最下位国家『日本』

世界33カ国で行われた人材ミスマッチ度調査で日本は最下位。

ヘイズ・ジャパン

そう、そもそも、企業の視点でいえば採用時点で、労働者の視点でいえば就職時点でミスマッチが起こっているということなのです。

そして、そのミスマッチの原因は、人間関係(24.2%)、会社の将来性が不安だった(20.6%、「昇進などキャリアアップができない環境だった(19.3%)、給与などの収入が少なかった(19%)、会社の経営方針に不満があった(18.6%)ということで、最大のミスマッチ原因が人と人の関係性の問題であることがわかります。

全国各地、地場の求人支援企業から大手上場のマッチングサービスまで、数多の採用支援サービスがあってもなぜ、このような問題が今も起こり続けているのか?

このままでは、日本全国の既存事業そのものが危機であり、新たな成長事業を創り出していくためにはなんとしても解決しなければいけない問題であります。

皆様の会社では人手不足に関してどのような課題を抱えていますか?

ぜひコメント欄から教えてください。

投稿者プロフィール

深井宣光
深井宣光
価値づくり日本
価値づくり成長戦略プロデューサー

(株)バリューイノベーションジャパン
 新価値創造事業 CCO

一般社団法人SDGs支援機構 事務局長/経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業サポーター/東京都スタートアップ支援事業「NexsTokyo」メンター/JーStuartup WESTサポーター等を務める。

社会課題をビジネスで解決する仕組みと成功法則の調査・研究者。各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐に渡って活動。NHK WORLD JAPAN「未来計画Q」公式サポーティングパートナー、フジテレビ「チャギントンSDGs」シリーズの他、日本テレビ「ZIP!」、テレビ東京「秒でNEWS180」「美しき捨て方」等、各局のTV番組等を監修及び出演。Googleが世界規模で推進する「Humans of YouTube」にて、社会的・文化的・経済的に有意義な影響を与えた日本を代表する100人の一人に選出。著書に「小学生からのSDGs」(KADOKAWA)。「SDGsビジネスモデル図鑑・社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)がある

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