社会課題 新規事業 深井宣光 SDGs 事業計画 スタートアップ

社会課題から新規事業を創り出すことができたら…。きっとこの記事をご覧いただいている企業の皆様は、そんな願いもお持ちであるからこそ、この記事をご覧いただいているのではないかと思います。

ですが、社会課題解決を事業で行うことによって成長している企業もあれば、そうでない企業もあり、むしろ、後者の方が圧倒的に多いのも事実です。

経営陣の方や、新規事業開発担当者の方に関わらず、いくらご自身では「この事業アイデアはきっといける!」とイメージができても、客観的な基準や根拠を示すことができなければ、その新規事業アイデアが社内で通り事業化に向けて動きだされることはないでしょう。

そこで、今回この記事では、

・成長性が立ち上げ前にわかる『社会課題解決型・新規事業アイデア』の3点分析【基礎編】

と題して、皆様の考えた新規事業企画のアイデアは、果たして成長性が見込めるのか?はたまた見込めないのか?立ち上げ前に判定できる、その客観的分析手法の基礎となる3点分析の基礎をご紹介させて頂きます。

ですので、ぜひ、この3点分析を使って、新規事業の成長可能性を見定めて頂ければと存じます。

それでは、まずは、分析に用いる3点とはシンプルにこちらの3つです。

その① 経済圏の課題解決について

その事業は、国、地域、企業、個人を問わず経済的な発展・成長などに関する「社会課題」を解決することができるか?

その② 社会圏の課題解決について

その事業は、人が社会生活を営む上で、必要不可欠な衣食住、インフラ、収入、教育、身体的・精神的な健康と安心・安全などに関する「社会課題」を解決することができるか?

その③ 生物圏の課題解決について

生物多様性など地球上に生きる全ての生物の生存、気候変動や環
境破壊、地球そのものの存続などに関する「社会課題」

3点を用いた分析法【基礎】

上記の3点を把握したら、次は、3点の掛け算に注目します。

その事業は、上記3点のいずれかの掛け算になっているか?ということです。

例えば、

・経済圏×社会圏
・社会圏×生物圏

といったように、どのような掛け算になっているかをみていきます。

掛け算のパターン全4パターン

・経済圏×社会圏
・経済圏×生物圏

・社会圏×生物圏

・経済圏×社会圏×生物圏

3点の掛け算によって生まれるパターンはこの4つです。

簡易判定法

詳細の分析は、まだ先があり、あくまで簡易ではありますが、まずはここまでの掛け算の組み合わせからも予測について仮判定をすることができます。

その点を留意の上、成長性が高いと予測される順に並べ直すと、このようになります。

・経済圏×社会圏×生物圏
・経済圏×社会圏・経済圏×生物圏
・社会圏×生物圏

では、掛け算にならない事業の場合はどうなのか?

掛け算にならない場合は、経済圏、社会圏、生物圏のいずれか一つということになりますが、この場合、社会圏、生物圏どちらかだけの場合は、寄付などに頼るモデルになる可能性が高く、ビジネスとしての成長性可能性は低くなってきます。

それに対して経済圏だけの場合、こちらは掛け算になっている社会圏×生物圏の組み合わせよりも、経済圏だけの方が成長可能性が高く事業機会が高いといえますが、往々にして、経済圏課題の解決は、社会圏課題の解決を伴ってきます。

次回は、事例付きで解説

さて、今回の記事ではあくまで分析法としての一番基礎となる部分の、フレームワークの概要について解説させて頂きましたが、次回は、事例を通してこの3点分析を解説させて頂く予定です。

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投稿者プロフィール

深井宣光
深井宣光
価値づくり日本
価値づくり成長戦略プロデューサー

(株)バリューイノベーションジャパン
 新価値創造事業 CCO

一般社団法人SDGs支援機構 事務局長/経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業サポーター/東京都スタートアップ支援事業「NexsTokyo」メンター/JーStuartup WESTサポーター等を務める。

社会課題をビジネスで解決する仕組みと成功法則の調査・研究者。各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐に渡って活動。NHK WORLD JAPAN「未来計画Q」公式サポーティングパートナー、フジテレビ「チャギントンSDGs」シリーズの他、日本テレビ「ZIP!」、テレビ東京「秒でNEWS180」「美しき捨て方」等、各局のTV番組等を監修及び出演。Googleが世界規模で推進する「Humans of YouTube」にて、社会的・文化的・経済的に有意義な影響を与えた日本を代表する100人の一人に選出。著書に「小学生からのSDGs」(KADOKAWA)。「SDGsビジネスモデル図鑑・社会課題はビジネスチャンス」(KADOKAWA)がある

成長可能性が立ち上げ前にわかる『社会課題解決型・新規事業アイデア』の3点分析【基礎編①】” に対して2件のコメントがあります。

  1. suda より:

    「その①」と「その②」の説明文が同じものになっております。
    お手数ですが修正していただけると幸いです。

    1. 深井宣光 より:

      suda様

      誤りを教えて頂き誠にありがとうございます。
      修正をさせて頂きました。ご参考ください。

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